新型コロナ感染者に少ない喫煙者 仏でニコチンの効果検証へ

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 これらの事実を鑑み、フランス科学アカデミーのメンバーであるジャン=ピエール・シャンジューが、ピティエ・サルペトリエール病院の医師たちと連名で発表したのが、冒頭にあげた仮説なのである。科学者らは、「ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)がCovid-19感染の病態生理に重要な役目を果たす」と仮定し、それが正しければ、「ニコチンはCovid-19感染に対する潜在的な予防薬」になりうるとしている。

◆ニコチンパッチの臨床試験に
 研究者らによれば「フランス厚生大臣オリヴィエ・ヴェランも、厚生省保健責任者ジェローム・サロモンも、(この仮説)発表に興味を示し」ており、ゴーサインが出次第、臨床試験に入ることが決まっている。臨床試験はニコチンパッチを用いたもので「3グループの人々に、異なる量で投与する」予定だ。すなわち「予防を目的として介護者に(投与し)、(ウイルスから)守られるかどうか確かめる」グループと「入院患者に(投与し)症状が減少するかを確かめる」グループ、さらに「蘇生治療を受ける重篤な患者に(投与し)炎症状態が改善するかどうかを確かめる」グループに分かれる(フランス・アンテール、4/22)。

 非常に興味深い仮説で、臨床試験の結果が待ち遠しいところだが、ただ、研究者らが念を押すように、「ニコチンは、たばこ中毒の原因となる乱用薬物であることを忘れてはならない。喫煙は(中略)深刻な健康への被害をもたらすのだ」(Qeios 4/22)。したがって、当然ながら、にわかにたばこを吸い始めたり、禁煙の誓いを破ったりするようなことは慎んでいただきたい。

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Text by 冠ゆき

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