タトゥーに見る米議会侵入者たちの思想

Manuel Balce Ceneta / AP Photo

◆極右派を一度も糾弾しなかったトランプ氏
 振り返ってみれば、トランプ大統領は任期中、一度も極右派を糾弾しようとしていない。大きな問題となった上述のシャーロッツビルの衝突に際してさえも、極右団体の責任を問うことをしなかった。

 2020年秋の大統領選前のバイデン候補との討論でも、極右主義者の暴力について問われたトランプ大統領は「暴力はおもに右翼ではなく左翼によるものだ」という考えを示している。しかもこのとき、バイデン候補が名を出したプラウドボーイズに対して「Stand back and stand by(下がって、待機しておけ)」とメッセージを出したのである。プラウドボーイズメンバーは狂喜し、「このトランプの表現「Stand back and stand by」は彼らのロゴ「Boys」に付け加えられた」(ル・モンド紙、9/30)。

 もちろん、1月6日のデモ参加者がみな極右だったわけではない。BFMTV(1/7)も、「デモ隊の多くは議事堂の外に留まり、事態の展開に戸惑った様子であったし、ドナルド・トランプの「家に帰るように」という呼びかけのあと、その場を後にした人も多かった」と記している。しかし、議事堂に押し入り躊躇なく狼藉を働いた者の多くは、ネオナチなど過激な白人至上主義者であったといえよう。西側諸国が心底懸念する極右団体のはびこり。トランプ大統領の任期は、その芽を育てたのではあるまいか。

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Text by 冠ゆき

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