スキャンダルに発展 トランプ邸から出てきた「極秘文書」の中身

FBIが押収した書類の受領書(8月12日)|Jon Elswick / AP Photo

◆コロコロ変わるトランプ氏の言い訳
 トランプ氏は家宅捜索の直後に「FBIが証拠を植え付けている」と発言していたが、その後言い訳は毎日のように変わり、「オバマ元大統領も同じことをした」「家で仕事をするために持ち帰った」「間違って荷物に積んでしまった」「機密文書はすべて機密解除してある」などと苦しい弁明を続けている。しかし前述のように、6月に「機密文書はすべて返却した」と虚偽の証言をしており、これらの弁明は意味をなしていない。

 トランプ氏が何のためにこれらの書類を違法に持ち出して隠匿していたかは、現時点では定かではない。しかし、もしそれが敵国に情報を売るためだったとしても、同氏がそれを認めることはないだろう。今回の家宅捜索では情報提供者がいたとみられており、ニューズウィークによると、トランプ氏の姪のメアリー・トランプ氏は情報提供者が誰かについて発言し、それが娘婿のジャレッド・クシュナー氏ではないかと予想。「彼だとは言っていないけど、ジャレッドかもしれない」「それはこの件に関連している人で、ドナルド・トランプの情報提供をすることによって自分の身を救おうとしている人だろう」と話している。しかしもちろん、トランプ氏の弁護士やトランプ氏を警護するシークレットサービス、またはトランプ邸を訪れた際に、これらの機密文書について耳にした共和党議員や支持者、または他国政府からの情報ということも考えられる。

 ニューヨーク・タイムズによると、司法省は16日、機密文書持ち出しと隠匿の件でトランプ氏の弁護士を事情聴取しているという。この件については証拠が多数あり、その多くがすでに司法省により押収されていることから、真相が明かされてトランプ氏が何らかの罪状で訴追されるかもしれない。

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Text by 川島 実佳