ホームレスの人に住まい提供の大工、市から活動中止を求められる カナダ

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◆トロント市の反応は
 これに対するトロント市の反応は批判的なのものだった。市は11月、シェルターの撤去を求める警告文をセイブライト氏に送付。彼のシェルターが市有地に残っていた場合、法的措置を取る可能性があるとした(CBC、11月21日)。

 警告文では、市は彼のシェルターを市有地に設置する許可を出していないと述べており、市有地への設置とその使用を目的としたシェルターの生産、提供、設置を直ちに中止するよう要求。またこれを怠った場合、市は建造物の撤去費用をセイブライト氏に請求することができるとしている。

 セイブライト氏側は市に対して、2020〜21年の冬の期間、彼のシェルターを公園に設置し続けられるよう求める署名を開始。現在、9万4000筆以上の署名が集まっている。同時に市有地からシェルターを移転させる活動も始めた。

◆さらに裁判所に差止命令を要求
 2月、市は裁判所にセイブライト氏に対する差止命令の発令を要請した(CBC、2月19日)。セイブライト氏が市有地に建築物を設置したり移転したりすることを永久に禁止する命令を求めている。

 これに対してセイブライト氏は、クラウドファンディングサイト上に声明文を発表した。そのなかで彼は、トロント市は彼を攻撃するのではなく、ホームレス状態の人々に安全な住まいを提供するというより重要なことに集中するべきだと述べている。また、彼のシェルターに代わる支援策が実行され、かつ新型コロナ感染症が収束するまで、彼のシェルターを撤去したり破壊したりすべきではないとしている。

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Text by 中原加晴