メタバース空間で「リアルな」語学学習 Immerse(イマース)が提供するVRプラットフォーム

海外でのプレゼンやスピーチの練習にも。プレゼン会場でピッチ練習をする場合はこのようなシーンが利用可能。(写真/Immerse提供)

◆技術革新が可能性をさらに広げる
 デッカーさん曰く、この3年で3つの変化がヴァーチャル空間における事業を進化させるという。

 1つ目は、技術の飛躍的な進歩だ。「フェイスブックがメタと名前を変えたように、大手の企業がバーチャル・リアリティの可能性を信じ、舵取りをしたことで、資金が流れ、一気に技術が発展した」と話す。

 2つ目は、VRを利用するユーザーのタイプが変わったことを挙げる。「以前は8〜14歳のゲーマーたちが中心だったが、今や14〜30歳の若いビジネスマンたちが、Web3やメタバースの世界に関心を持ちそれに『参加したい』という意思を持って利用するようになった」と話す。それにより、VRの利用がSFやゲーム中心だったものから、「グローバル市民のためのエコシステム」という視点でコンテンツが広がっている。学習プラットフォームとしてのイマースもその真ん中にいる形だ。

 3つ目は、技術革新が進んでも「コンシューマー向け」デバイスの価格が、手頃であり続けている点だ。デッカーさんは、「メタがオキュラスQuestの次世代をリリースする際、私たちは1000ドルクラスの価格帯のデバイスになるのではないか、と考えていた。しかし、彼らはデバイス価格を400ドル(約5万9400円)という手頃な価格に据え置くことで、今では世界で1500万人の人がVRヘッドセットを所有している」と続ける。ユーザーが増えれば、コンテンツを提供する企業は増える。コミュニティが広がればビジネスも安定していく。

VR空間にグーグルアースを取り込んだプラットフォームを利用することで、世界中のあらゆる地域にまるで自分が立っているという状況を描き出せる。(写真/Immerse提供)

Text by 寺町 幸枝