メタバース空間で「リアルな」語学学習 Immerse(イマース)が提供するVRプラットフォーム

海外でのプレゼンやスピーチの練習にも。プレゼン会場でピッチ練習をする場合はこのようなシーンが利用可能。(写真/Immerse提供)

◆VRだからこそ、授業の数は無限に増やせる
 イマースの利用者は、実際にVRを利用した世界で学ぶ「学生」だけではなく、イマースのプログラムを利用して、語学を教える「教師」たちも該当する。イマースのカスタマーサクセス部門の責任者であるダニエル・デッカーさんは、「語学教師としてのスキルを持っている人たちが、パンデミックを経験して、ZOOMのようなオンラインツールを利用するようになった。イマースでは、こうした教師らに新しいツールとしてのイマースの使い方を教えている。授業のカリキュラムそのものは、教師たちの方がずっと経験があるので、語学の研修コンテンツそのものについては、ユーザーである教師たちの裁量に任せている」と話す。

インタビューに応じたImmerseのカスタマー・サクセス部門責任者ダニエル・デッカーさん(写真/筆写撮影)

 現在イマースが直接提供しているプログラムは「スペイン語」のみ。米国内でスペイン語を学びたい人をターゲットにローンチしたプログラムだが、実際には南米に住んでいる人や、西ヨーロッパをベースにしている学生もプログラムに参加しているとデッカーさんは話す。イマースで教える教師たちも、さまざまな地域や米国以外の国からアクセスして教えている。

イマースのプラットフォームにはゲーム要素をふんだんに取り入れた仕組みが用意されている。大人向けのプログラムにもゲームを取り入れられる。なお、イマースのスペイン語クラスは5〜7人の生徒が同時受講するのが定番だという。(写真/Immerse提供)

 今後は、さらに違う国に拠点を持つ教師の数を増やすことで、より多くの時間帯で授業を提供することを検討しているという。またフランス語、日本語と、直接提供できるレッスンの準備も進めている。「イマースのプラットフォームを使うことで、世界中に点在する教師と生徒が、ヴァーチャル空間で時間を共有し、接点を持って学ぶことができる」とデッカーさんは続ける。

Text by 寺町 幸枝