人気呼ぶ海外リゾートでのリモートワーク 長期ビザで誘致する国も

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◆税金や保険の問題
 太陽光にあふれる気候に、リラックスした雰囲気。良いことずくめのような海外リモートワークだが、出発前に確認すべき点も多い。たとえば、税金と社会保険の問題がある。自分では長い旅行に出ているつもりでも、税制度からみれば転居とみなされる可能性が高いため、所得税などを滞在国で支払う義務が生じるかもしれないのだ。また、国外居住期間の社会保険の扱いがどうなるかも要確認だ。

 国外リモートワークをしようとする会社員は、雇用主の了解を得る必要がある。起業家やフリーランサー、専門資格職業など、雇用主を持たない場合も、居住地をどこに定めるか、雇用保険のカバーは継続できるのかなどがネックとなる。自国の非居住者となる場合、利用できなくなる銀行口座やサービスはないかなど、こまごまとした点も忘れられない。

◆逃れられないパンデミック
 また、どんな地の果てのリゾートであろうと、パンデミックから完全に逃れられるわけではない。これまでの例を見ても、いつ何時、国境が閉鎖されても不思議ではない世界に我々は生きている。もしも予定通り滞在先から戻れなくなったときは? もしも滞在先で病に倒れたり、事故に遭ったときは? チェックリストは長い。

 とはいえ、海外リモートワークにひかれる人は増加傾向だ。今後しばらく「リモートワーク滞在」は観光業の新部門として注目され続けるであろう。

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Text by 冠ゆき