人気呼ぶ海外リゾートでのリモートワーク 長期ビザで誘致する国も

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 度重なるロックダウンと、リモートワークの普及により、どうせならとリゾート地へ移動するヨーロッパ人が増えている。それらの需要を狙い、リモートワーカーの誘致に名乗りをあげる国や地域も増えてきた。しかし、すべてがバラ色とはいかないようだ。

◆南の島にひかれるリモートワーカーたち
 欧州のロックダウンは、日本の「お願い」ベースの緊急事態宣言とは異なり、かなり厳しいものだ。許される外出は、自宅から〇キロメートル以内、1時間以内、夜間は禁止など多くの制約がつく。警察や軍が巡回しており、違反すれば高額の罰金が科される。その閉塞感から逃れるため、自国を飛び出すヨーロピアン・リモートワーカーたちが行き先に選ぶのは、やはり南国が多い。

 フランス・アンフォ(3/31)によれば、現在、北大西洋のカナリア諸島には5000~1万人のリモートワーカーが集まっている。カナリア諸島にも感染者は出ているし、感染拡大防止目的の制限策もとられている。しかし、感染者数は欧州と比べれば格段に少なく、したがって制限策もずっと緩やかなものだ。外出制限は夜間のみ、それも22時からと遅い時間だし、欧州のほとんどの国で休業が続くバーやレストランもテラス営業を許されている。

 年間1500万人を数えていた観光客が昨年は500万人に落ち込んだカナリア諸島としても、リモートワーカーの滞在増加は願ったり叶ったりだ。カナリア地方政府は、ヨーロッパのほかアメリカ向けに誘致キャンペーンを展開する意向だ。(同)

Text by 冠ゆき