国民はスプートニクVに不信感、接種進まず ロシアで感染再拡大

Pavel Golovkin / AP Photo

◆引き締めと豪華賞品
 とはいえ、秋までに集団免疫を獲得することを目指すプーチン大統領にとって、ワクチン接種は必須だ。そのため大統領自ら、国民へワクチン接種を呼びかけてきたし、各自治体も、接種者へのプレゼント作戦などを展開してきた。しかし接種は思うように進まず、そのような状況下で感染再拡大の兆候が明らかになった。

 感染再拡大の兆候を受け、ソビャーニン・モスクワ市長は、これまでないに等しかった制限をわずかながら引き締める策を発表した。12日~20日を休業週と定め、ショッピングモールや公園内の子供プレイエリアを20日まで閉鎖し、リモートワークを優先させ、23時から6時のレストランのサービス提供を禁止したのだ。(20minutes、6/13)

 続いて翌13日には、6月14日~7月11日に一回目の接種を受けた市民は豪華プレゼントのくじの対象になると発表した。賞品は約100万ルーブル(約152万円)の価値を持つ車で、毎週5人が当選する予定だ。モスクワ州も、ワクチン接種者への豪華くじ賞品のアイデアを採用している。こちらの景品は3ルームのマンションだ。(同上)

 豪華賞品にどれほどの集客効果があるかはともかくとして、ロシアの例からわかるのは、国民が政府を信頼しない国では、ワクチン接種が進まないという事実だ。日本はどうだろうか?

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Text by 冠ゆき