ロシアが動物向けワクチンを承認 動物への接種の必要性は?

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 ロシアは3月31日、動物用の抗Covid-19ワクチンを承認した。その名は「Carnivac-Cov」で、100%の効力を謳う。しかし、動物のワクチン接種には、ロシアでも懐疑的な声が多く、どのぐらい普及するかは未知数だ。

◆ワクチンの必要を認めないロシア飼育業者ら
  20 minutes紙(4/1)によれば、Carnivac-Covワクチンは肉食動物のみを対象としている。犬、猫のほか、アカギツネやホッキョクギツネ、ミンクに試験接種が行われ、「接種を受けたすべての動物に、抗体が認められた」という。

 ミンクと言えば、新型コロナウイルスの変異株を警戒して1000万頭を超えるミンクが欧州各国の飼育場で殺処分にあったニュースはいまだ記憶に新しい。少々遅きに失する感はあるものの、同ワクチンは、ミンクにとっては救世主となりえるものだろう。

 だが、ロシアの獣医や毛皮用動物飼育業者組合は、ワクチン接種の必要性に懐疑的だ。獣医団体は「犬や猫がCovid-19の保菌動物になるとは証明されていない」と発言し、毛皮用動物飼育業者組合は、「飼育されている200万のミンクやキツネにワクチンを打つ必要がみられない。(中略)これまでのところ(感染は)見つかっていない」と3月31日発表した(同)。

Text by 冠ゆき