ロシアが動物向けワクチンを承認 動物への接種の必要性は?

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◆米国でヒトからペットへの感染報告
 その一方で、アメリカのテキサス州では2月、英国変異株に感染した男性の飼っている犬と猫がどちらも同じく英国変異株に感染したことが報告されている(フュチューラ・サンテ、3/28)。このケースに関しては、おそらく飼い主であるヒトが、ペットである犬と猫を感染させたと考えられており、科学者らは、新型コロナ感染者にペットとの接触を避けることを勧めている。パンデミック発生以来、めまぐるしく新型コロナに関する事実が明らかになってきたことを考えると、これまでは感染が見つかっていないから大丈夫、とは言い切れない。

◆動物の命を握るヒト
 ところで実は、動物向けの新型コロナワクチン開発は、これが最初ではない。ル・ポワン誌(2020/12/25)によれば、アメリカでは一部の動物に昨年すでに接種が行われていた。その動物とはクロアシイタチである。

 なぜクロアシイタチなのか? その理由もまたミンクの殺処分に関連している。昨年秋からミンクが大量殺処分の対象となったのは、新型コロナ変異体の病原巣になる恐れがあるとみなされたからだ。そうして、ミンクと近しいクロアシイタチも同じ可能性を持つ動物だと考えられているのだ。だが、クロアシイタチは絶滅危惧種であるため、殺処分にするのは「問題」だ。そのため、コロラド州の科学者らは急遽、クロアシイタチ向けの抗Covid-19ワクチンを開発。昨年末時点ですでに100頭以上のクロアシイタチへの接種を済ませていたのだ。

 どうやらいつの間にか、ヒトの手は、家畜以外の動物の生死も握る神の手となっていたらしい。

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Text by 冠ゆき