ソーシャルレンディングとは|注意点と人気の理由

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 クラウドファンディングの中でも投資商材として、ソーシャルレンディングが注目を集めています。矢野経済研究所が発表した2017年度国内クラウドファンディング市場規模調査では、合計支援額1,700億円のうち、ソーシャルレンディングが約9割の1,534億円を記録しました。利回り競争の激化も人気を高めており、今後ともさらなる拡大が期待されています。この記事では、ソーシャルレンディングの概要からメリット・デメリット、ソーシャルレンディングのおすすめ事業者までを詳しく解説します。ぜひ、最後までご覧下さい。

ソーシャルレンディングとクラウドファンディングとの違い

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融資型クラウドファンディングと同義

 ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい企業と資産運用先を検討している一般の投資家をマッチングするサービスのこと。例えば、借り手企業が18%で融資を実行し、間に入るソーシャルレンディング事業者が5%の手数料を取っても、投資家には13%の利回りが分配される仕組みになります。また、「ソーシャルレンディング」は、融資型クラウドファンディング、または貸付型クラウドファンディングと呼ばれる場合もあります。

借り手企業と投資家それぞれのメリット

 借り手企業のメリットは企業規模が小さかったり、会社として立ち上げて間もない立場でも融資されることが挙げられます。銀行融資が厳しい要素がある場合でも、ソーシャルレンディングでは融資される可能性があります。また、銀行と比較しても審査・融資などの意思決定が柔軟である部分も強みです。

 投資家目線のメリットとして、定期預金と同じくらい手間がかからない運用ができる上に、高い利回りを実現できることです。株・FXのようにチャート分析などの専門知識を必要としない点も、投資初心者に人気を集めている理由と言えるでしょう。

 ただこのソーシャルレンディング、信用という観点で疑問を持たれることもあります。借り入れする企業としては一般的な銀行よりも金利の高い融資されますが、当然企業としては出来るだけ金利が低いことに越したことはありません。ではなぜソーシャルレンディングで借り入れするのかというと、銀行側が画一的で厳しい融資条件を設けており、短期的な融資やプロジェクトベースの資金調達が非常に難しくなっているという現実があるからです。将来的に大きな飛躍を期待できるベンチャー企業やプロジェクトは銀行側の画一的な条件を満たすより、ソーシャルレンディングで資金調達することで多くの時間をプロジェクトの成功に集中できます。そういった意味では、ソーシャルレンディングだからといって信用性が低い、と簡単にみなすべきではないのです。ソーシャルレンディングで投資をする場合は、ソーシャルレンディング事業者とプロジェクトの将来性を加味して、リスクとのバランスを取って投資するようにしましょう。

ソーシャルレンディングで気をつけるポイント

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 では、実際に投資を始める際に気をつけたいポイントを考えていきましょう。ソーシャルレンディングのみならず、あらゆる投資を始める際に必ず抑えておきたい基本的なこととなりますので、他の投資サービスを実施したことがある人は流し読みしていただいても大丈夫でしょう。

投資対象を分散する

投資対象を分散させることで、ひとつの投資先が倒産した場合などに被害を最小限に抑えられます。「複数のソーシャルレンディング事業者に投資する」「不動産案件、太陽光案件など、違うジャンルに分散投資」こなどといった考え方にすることで、リスク分散の投資先を増やしておきましょう。

複数の案件を比較して傾向を探る

 複数のソーシャルレンディング事業者の案件を見比べることで、ある程度の傾向が見えてきます。ジャンル・期間・利回りなどを見たときに、ある会社だけ異常に利回りが高い場合などは警戒するべきでしょう。はたから見ると条件が近い案件を各事業者ごとでに抽出して、比較を行うことも一つのコツです。

サービスを実際に使って感覚を養う

実際にサービスを利用することで初めて分かる部分もあります。まずは少額金額を実際に投資しながら、貸出・分配などが間違いなく記載されている通りに行われているかを確認することが大切です。その他にも、出入金の反映スピードなども投資をしてみて分かるポイント。まずは、システムを触ってみて問題なければ少額から少しづつ投資金を増やす方法もおすすめです。

ソーシャルレンディングにおける注意点

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 メリットが多いように見えるソーシャルレンディングにも、投資するにあたり遵守しておきたい注意点が存在します。

生活資金を投資に回さない

 ソーシャルレンディングは、各プロジェクトによってリターン額が変わります。比較的安定した運用ができるとはいえ、生活資金まで投資することはおすすめできません。理由として、ソーシャルレンディングは借り手企業の貸付利率が高めに設定されており、返済延滞や元本割れが発生する可能性が他のあるからです。投資した金額が戻ってこない最悪のパターンも考慮しておき、無理のない投資を行うことが求められます。

流動性の低い資産運用であることを認識する

 ソーシャルレンディングにおけるデメリットは、「流動性」の低さにあります。長い案件で2年〜3年単位で運用を行う上に、急な資金が必要になった場合でも、途中解約・売却などは出来ません。投資する金額によっては生活に支障が出る場合もあり、無理のない金額を投資することが大切です。

担保付きの案件に投資する

 より安全性を高く資産運用を行うために、担保付きの案件に投資を行うことが重要です。担保とは、万が一、借り手が返済出来なくなった場合のために、事前にクラウドファンディング事業者が担保として土地・不動産・債券などを抑えておくことを指します。そして担保の詳細についても会社によって、情報の開示度合いが違います。できる限り詳細に担保に対する記載がしてあるサービスを選ぶことが大切です。

 次に、数多く存在するソーシャルレンディング事業者の失敗しない選び方を、ポイントに絞って解説します。

大手企業が運営・出資している

 ソーシャルレンディングは比較的新しいサービスである為、サービスを選ぶ基準として「大手企業が運営・出資をしているか」もポイントです。名前を聞いたことのある大手企業が支援しているだけでも、ソーシャルレンディング初心者にとっても大きな安心感を得られるでしょう。例えば、クラウドクレジットは伊藤忠商事やマネックスグループからの資金調達を達成しています。また、大手金融グループのSBIグループにはSBIソーシャルレンディングというソーシャルレンディングを専門にする会社もあります。これらはコンプライアンス体制も細かく整備されていることの証左とも言えますので、特に初心者には抑えておきたいポイントです。

過去に返済遅延実績のない事業者を選ぶ

 事業者選定を行う場合には、「返済遅延実績」がない事業者を選ぶことが大切です。「返済遅延実績」とは、融資を行なっている企業が返済日を遅延した情報のこと。返済遅延が起きる理由として、借り入れ企業に見合わない貸付利率の設定、正確性に欠ける融資審査などもひとつの要因です。ソーシャルレンディング事業者を選ぶ際には、必ずチェックしておきたいポイントです。

ソーシャルレンディングのおすすめ事業者

ネクストシフトファンド

 経済的な利益の追求だけでなく、自然環境や国際的な貧富の差を是正するような働きかけができる投資のことをソーシャルインパクト(あるいはESG投資など)といいますが、そのソーシャルインパクトを専門に投資できるのがネクストシフトファンドです。創業者の地元である鳥取に根付いた企業活動を行っているネクストシフトファンドは、国内のソーシャルレンディングファンドとして初めて国連が定めるPRI(責任投資原則)に署名しましたが、これは彼らの取り組みが国際的に認められていることの証左にもなります。SGDsという国連が定める17のスローガンにも準拠する彼らの投資ファンドには、すでに大きな注目が集まっています。ネクストシフトファンドの最低投資可能額は2万円からとなっています。

クラウドバンク

 日本で唯一、証券会社が運用するソーシャルレンディングサービスがクラウドバンクです。証券会社として認められるには非常に厳しい基準をクリアしなければならず、それを達成したクラウドバンクは社会的な信用性の高さがあると言えるでしょう。
 クラウドバンクは信用性の高さ以外にも、実績利回りは6.99%と高利率の実績があり、デフォルト率は0%と堅実な印象を受けます。米ドルでの投資も可能で、日本円以外で資産を分散投資したい投資家には最適な投資先を選ぶことができます。

クラウドクレジット

 ソーシャルレンディングを手がける事業者の中でも案件数が多く、1万円から投資ができるなど手軽に始めやすいのがクラウドクレジットです。ソーシャルレンディングの中でも高利率のファンドが多く、また海外の案件に特化しており、特に後発開発途上国への投資が多いため社会的意義が高い投資ができます。

COOL

 株式会社COOLが運営しているのが、アジアビジネスに特化した投資ファンドのCOOLです。日本に在住している外国人を専門にしており、著しい経済成長が見込まれるアジアでのビジネスに出資できます。実際に2019年7月に運用が開始された第一号案件では、アジアの貿易ファンドでした。これから案件数を増えていく段階の事業者のため、先行者利益を狙う投資家は登録してみるとよいのではないでしょうか。

SBIソーシャルレンディング



 SBIソーシャルレンディングはSBIグループが運営しており、ソーシャルレンディングを取り扱う業者の中でもトップクラスの大手企業が母体になっています。大手金融機関となると信用性やコンプライアンスの厳しさなどが予測されますので、投資先を選ぶ上で重要な安心感を持てます。1万円から投資可能で利益が毎月分配されるので、資産運用の手始めとして取り掛かりやすいのではないでしょうか。

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Text by NewSphere 編集部

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