投資型クラウドファンディングの手数料|スムーズな資産運用のために

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 老後に向けての資産形成の必要性が叫ばれて久しいこの頃、幅広い年代で資産運用の方法として「投資型クラウドファンディング」が注目を集めています。投資型クラウドファンディングとは未公開株式や事業ファンドなどに投資して、金銭的なリターンを受け取る投資方式ですが、その仕組みや利用にあたってかかる手数料は様々な種類があります。

 そこで今回は3種類の投資型クラウドファンディングの手数料をまとめました。下記の関連記事では3種類の投資型クラウドファンディングの仕組みを詳しく説明していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

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1. ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の仕組みと手数料について

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 ソーシャルレンディングと融資型クラウドファンディングは同義とみなされています。その名の通り、融資型クラウドファンディングは資金を必要としている企業に対して投資家が融資して、その元本に対して利息を得る仕組みです。これまで企業に融資(貸付)するだけの大金を負担できるのは一部の資産家やベンチャーキャピタルくらいでしたが、資産運用を考えている個人を小口から束ねるクラウドファンディングと同様の方式を取ることで、個人が少額でも企業に融資することが可能になりました。

 ソーシャルレンディングの手数料は業者によって変わりますが、預託金口座への銀行振込手数料や、預託金口座からの出勤に再する手数料を負担することが多いです。その一方で口座を開設する費用や、ファンドへの出資に対する手数料がかかるケースは少なく、概ねサービスを開始する際に手数料がかかることは殆ど無いようです。

【関連記事】ソーシャルレンディングのメリット・デメリットについて 投資の前に抑えておきたい知識と前提とは?

2. ファンド(事業)型クラウドファンディングの仕組みと手数料について

 ファンド(事業)型クラウドファンディングは、投資に対する分配金でリターンが得られるサービスです。投資のリターンは事業の売上金の一部だけでなく、投資先の事業がもたらすサービスも含まれることが多いです。過去には新たな日本酒ブランドの創生や音楽フェスの開催、地方活性化プロジェクトへの出資など色々な事業が募集されており、リターンの種類の豊富さとユニークさから、寄付型クラウドファンディングと比較されることも多いです。

 募集するクラウドファンディング会社によって手数料は異なりますが、例えばクラウドポート社が運営するFundsでは手数料を徴収していません。ファンドを運営することで利益を出すのがクラウドファンディング会社の事業モデルで、投資家から直接的に手数料を徴収してしまうと投資へのハードルが高くなり、クラウドファンディング会社としても機会損失になります。そのため、クラウドファンディング会社では手数料を徴収することは少なくなっています。手数料の類で唯一負担の必要があるのは銀行口座へ振込・出金する際に生じる手数料が殆どなので、ネットバンキングなどを活用して手数料の負担を減らすと投資効率が高まるでしょう。

3. 株式投資型クラウドファンディングの仕組みと手数料について

 株式投資型クラウドファンディングは、非上場の会社の株式がリターンとして得られるのが特徴です。非上場の株式は、未公開株ともいいます。未公開株は、なかなか一般の人が手に入れることが出来ません。未公開株は、上場すると大きく値上がりすることが期待されている金脈のような株のように思えます。しかし、株式型クラウドファンディングは大きなリターンを期待できる一方で、リスクも生じるハイリスク・ハイリターンの投資方法だということを忘れてはいけません。過去には未公開株に投資していたがその株式会社が倒産し、そのまま未公開株はなんの意味も持たないものになってしまった例もあります。そうしたリスクもあり巨額の投資は規制の対象で、基本的に50万円以上の投資は出来ません。
 
 株式型クラウドファンディングの手数料は一般的に株式の発行価格から10%から20%かかります。国内取引量が最多のプラットフォームであるFUNDINNO(ファンディーノ)は審査料の10万円に実費が加算される仕組みです。くわえて株式の発行価格の20%が手数料として引かれます。

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出資を取り下げできる?投資する際の注意点
 投資型のクラウドファンディングですが、一般的には、クラウドファンディングが成立する前の取り消しは出来るケースが多いです。しかしクラウドファンディングを扱っている会社によって取り扱いは異なるので、出資する際は各クラウドファンディング会社の利用規約をしっかりと確認してから出資を決めてください。

4. 【コラム】ファンドが不成立になった場合など、思わぬ形で出資金や取扱手数料が戻ってこないことはあるのか?

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 投資型クラウドファンディングのファンドが不成立となった時、出資金や手数料はどうなるのでしょうか。結論としては出資金や取扱手数料は出資者へ戻ります。基本的に投資型クラウドファンディングは金融庁ほかに厳しく監視された「金融商材」で、その出資金や手数料を払い戻さないという不誠実な対応はほとんどありえないと言えます。

 しかし稀にそうした慣例にはそぐわないことが生じてしまうことがあり、それはクラウドファンディング会社の「分別管理」が徹底されていない場合です。過去には実際に「分別管理」がされていなかったため、投資家との間にトラブルが発生し金融庁から指導を受ける、といった不祥事が発生しましたことがあります。では「分別管理」とはどういったものなのでしょうか?

 分別管理とは、投資型クラウドファンディング会社が投資家から出資を受け預かった資金を、自社が保有する資産から分別して管理することを指します。分別管理が行われていることを前提に、組成ファンドが失敗・消滅したり投資型クラウドファンディング会社が破綻などをした場合でも、投資家の資産は投資家に返還されることが保証されます。分別管理は従来の証券会社においても法律で定められ義務化された仕組みで、投資型クラウドファンディングを行う会社でも同様に法律で義務付けられています。

 そして管理が徹底されていない投資型クラウドファンディングを行う会社が、その分別管理を徹底せず投資から集めた資金を自社の保有する資金として使用したことがありました。こういった事態になってしまうと、出資金や各種手数料が返金されるまでトラブルが生じて返金が遅れてしまったり、最悪の場合は全額の返金がなされない可能性があります。これを受けて金融庁では各投資型クラウドファンディング会社に分別管理の徹底を呼びかけています。
 
 投資型クラウドファンディングがお金を投資する行為である以上は、上記のようなリスクが完全になくなるということはありません。また、事業ファンド事態がうまく立ち行かず元本割れを起こす可能性も十分に考えられます。そうしたリスクを避けるための有効な対策としては、(1)「日本の大手運営会社で投資を行う」(2)「複数の運営会社に分散投資する」という2点が挙げられます。

 1つ目に大手運営会社をすすめる理由は、ある程度の信用性が見込めるためです。というのも、投資型クラウドファンディングはまだ新興の投資方法で、業界としてルールを作りながら成長している発展途上のサービスです。そのためクラウドファンディング事業会社の信用性や取扱金額・会社規模の大きさという側面はその信用性を高める数少ない要素になるのです。

 2つ目の分散投資については、あらゆる投資において基本となる考え方です。特に投資型クラウドファンディングは既存の預金などの資産運用方法と比べて金利が高く、実際に運用するハードルもかなり低いため魅力的な投資方法に見えます。しかし当然投資型クラウドファンディングにおいても、「元本割れ」などのリスクは常に懸念されなければいけません。高い利率に惹かれてバランスを欠いた出資をした結果大きな損を被ってしまった…といった事にならないよう、複数に出資をしてリスクを分散する「分散投資」を心がけましょう。

 投資型クラウドファンディングは「金融商材」で、他の証券会社などを利用した投資と同じようにリスクは存在していますが、業界として不要なリスクを排除するための法規制等が整備されてきている段階です。出資する個人としても、可能な限り万全の対策を講じて投資をするようにしましょう。

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Text by NewSphere 編集部