海底菜園、CO2・プラごみ回収 海での環境負荷低減テクノロジー

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◆海のプラごみ回収「オーシャン・クリーンアップ」

©The Ocean Cleanup

 プラごみによる海洋汚染は知られているが、膨大なプラごみをどうやって取り除けばいいのか。海岸でのごみ拾い活動は日本でも広まっているが、海上のプラごみを回収するグループやビジネスは少ない。2013年設立の非営利団体「オーシャン・クリーンアップ」は、独自のテクノロジーを駆使し、海や川に浮遊するプラごみの回収を続けている。「海洋に浮かぶプラごみの90%を2040年までに除去する」ことが目標だ。

 団体を立ち上げたのは、オランダ人のボイヤン・スラット氏。16歳の時にダイビング中に見たプラごみにショックを受け、海をきれいにしようとアクションを起こした。団体は常に注目され、世界のメディアで度々取り上げられている。

 同団体のプラごみ回収装置は、海洋用と河川用の2種類。海洋のみならず、海に流れる前の段階(河川)でもプラスチックを回収している。海洋では第1号と第2号の回収装置の実証実験を行い、昨夏、第3号が太平洋ごみベルト(世界最大のごみ集積地帯)で稼働を開始した。船2隻とネットを使う回収装置はこれまでの3倍のサイズだという。すでに34万キロ以上のプラごみを回収している。次のステップは、第3号のスケールアップだ。

第3号|©The Ocean Cleanup

 同団体が集めたごみは膨大だ。ロサンゼルス、中米、東南アジアで稼働している10台以上の河川用プラごみ回収装置と合わせると、回収したプラごみは830万キロを超える。

河川用|©The Ocean Cleanup

 ちなみに日本でも海洋でのごみ回収を進めていこうと、非営利団体「クリーンオーシャンアンサンブル」(2020年設立)が技術開発に取り組んでいる。

Text by 岩澤 里美