「地中海食」でサステナブルな未来都市へ イタリア・ポリカで進む一大プロジェクト

イタリアのポリカ市|mezzotint / Shutterstock.com

◆広がる動き、海外へ
 FFIの動きはイタリアだけでなく、海外にも派生している。サンフランシスコに米国支部を持ち、さらに日本でも2019年に東京建物と提携し、一般社団法人Tokyo Food Instituteと連携して、活動の輪を広げている。

 欧米とアジアの拠点を持つことで、影響力はますます高まっている。重要視する「知識の共有」という点において、昨年からはeラーニングも組み合わせた日本語版ブートキャンプという名の学習の機会を創出したり、FFIに所属する食の専門家が、企業の依頼で食のアップサイクル製品の開発に関わるといったことが、グローバルに起きているのだ。

 人の営みとして基本の一つである「食」を中心に、社会に溢れるさまざまな課題の解決に取り組むという姿勢は、斬新なようで、実に当たり前のことなのかもしれない。食を通じて、社会課題を包括的に考えるという姿勢はこれからますます注目されるのではないだろうか。

在外ジャーナリスト協会会員 寺町幸枝取材
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。

Text by 寺町 幸枝