「どうして戻ってくる??」海外が驚く日本の落とし物事情 解説動画に反響

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◆身近な交番の存在、良心を実行しやすく
 高い返還率は、2つの要素によって支えられているようだ。すなわち、落とし物を気軽に届けることができる交番のシステムと、それを集合的に保管する遺失物センターの存在だ。また、日本人の道徳観も寄与しているのだろう。米CNN傘下の『グレート・ビッグ・ストーリー』はYouTube動画(2020年8月20日)にて、「街の至る所 にある『交番』という小さな拠点」が落とし物の届け先として機能していると述べ、世界的に珍しい日本の交番システムを紹介している。

 交番は社会に溶け込んでおり、人々が気軽に警察官と接することができる拠点となっている。ブルームバーグ(2020年2月11日)は一例として、日本の北陸地方で6歳の男の子が拾った五十円玉を交番に届け出ると、複数の警官が対応して正式な受理の書類を作成してくれたというエピソードを紹介している。記事はさらに、幼い頃から学校で落とし物は交番に届けると教えられており、これが身近な交番の存在と相まって届出をしやすくしているのではないかとみる。

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Text by 青葉やまと