ヨーロッパ深部に眠る「大アドリア大陸」とは 1億年前に消えた幻の大陸

約1億4000年前の大アドリア大陸|Douwe van Hinsbergen

♦︎解析を助けたソフトウェア
 そのソフトとは、GPlatesと呼ばれる解析アプリケーションだ。プレートの運動をシミュレーションし視覚的にわかりやすく表示できるもので、有志が参加するオープンソースの形で開発されている。専門領域を扱うソフトではあるが、意外なことにWindowsやMacなどの一般的なパソコン上でも動作する。

 博士たちのチームはこのソフトを用いて2億4000年前の三畳紀にさかのぼり、エリアごとのプレートの動きを検証した。さらに地震波の解析データを加味することで、最終的に地下1500キロの地点に大陸が眠っていることが突き止められた(ワシントン・ポスト紙)。

 ナショナル・ジオグラフィック誌によると、博士はこのソフトに非常に信頼を置いているようだ。過去15年にわたって愛用するこのアプリケーションは、誰でも操作できるわかりやすいインターフェースを提供しており、複雑な情報の解析結果をこと細かにビジュアル化することに長けている。それまで収集してきた膨大な量のデータをソフトに処理させることで、博士たちのチームの10年にわたる研究は、ついに成果を挙げることとなった。

次のページ 失われた大陸をめぐり、今後も新たな発見とロマンが続く




Text by 青葉やまと

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