ヨーロッパ深部に眠る「大アドリア大陸」とは 1億年前に消えた幻の大陸

約1億4000年前の大アドリア大陸|Douwe van Hinsbergen

♦︎近年続く海底大陸の発見
 こうして発見された大アドリア大陸は、地中に呑み込まれる以前からその大半が水没しているという、大陸としては珍しい形態のものであった。この形態は、近年発見されたジーランディアと呼ばれる大陸に似ている。オーストラリアの西、ニュージーランドとニューカレドニアの海域には現在は島が浮かぶばかりだが、海底約1000メートルにかつての大陸が沈んでいることが2017年に判明した。ビジネス・インサイダー誌は、オーストラリアのほぼ半分ほどの面積があると伝えている。500万平方キロ以上の広さを持ちながら、その94%が水中に沈んでいるため、これまではっきりとした領域が特定されていなかった。

 未知の大陸にまつわる情報は、近年続々と明らかになってきている。ワシントン・ポスト紙でも触れているように、同2017年にはモーリシアと呼ばれる大陸がインド洋の底に眠っていることが判明した。大アドリア大陸のほかにも、失われた大陸をめぐり、今後も新たな発見とロマンが続くことだろう。

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Text by 青葉やまと