11月に口ひげを生やす「モーベンバー」とは? 600万人参加の世界的イベント

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◆男性特有の病気とは?
 男性特有の病気としてまず挙がるのは、やはり前立腺がんと精巣がんだろう。どちらも早期に発見されれば、ほぼ100%完治できる。また、前立腺がんは世界中の男性で2番目に多いがんで、男性の9人に1人が一生のうちに発症するリスクがある(RTL、11/1)。

 心血管のリスクも見逃せない。65歳未満の男性は、女性と比べて、心血管疾患で死亡する可能性が3倍高いからだ(RTL)。さらにキャンペーンは心の健康にも及んでいる。公式団体モーベンバーによれば、世界では1時間に60人の男性が自殺しているという。今年はこの事実にちなみ、1ヶ月で合計60キロを歩くというチャレンジも提案されている。

◆目的は?
 キャンペーンの目的は、男性に特有の病気についての意識を高めて、早期検査の重要性を説くことだ。さらに長期的目標として、2030年までに前立腺がんと精巣がんによる死亡者数を半減させること、男性の自殺を25%減らすことなどを掲げている。(ドクティッシモ)

◆心身の健康のために知っておくべきこと
 最後にモーベンバー公式サイトに挙げられている「すべての男性が知っておくべき健康のための5つのポイント」をあげておこう。

1)一緒にいて気分のいい人と時間を過ごそう:生活のなかに友人や家族との時間を確保する。
2)より多く話そう:子供の誕生、失業、別れなど、良くも悪くも人生の大きな節目となった出来事について、言語化してみる。
3)知識を増やそう:血縁者にどのような健康問題があったのか知っておく。また病気の症状がどのようなものかにも目を通しておく。
4)セルフチェックをしよう:何か少しでもおかしいと思ったら、先延ばしせず専門家に診てもらう。精巣がんは、睾丸のセルフチェックで見つかることも多い。
5)より多く動こう:体を動かすことは健康のためにできる自分から自分への最高の贈り物だ。

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Text by 冠ゆき