子宮頸がんワクチン、海外の状況は? 男子への接種を進める国も

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 ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するHPVワクチンは、日本では2013年4月に定期接種化された。しかし、接種との関連を疑われる症状報告が相次いだことから、わずか2ヶ月後の6月、厚労省は当ワクチンの「積極的な接種勧奨を一時的に差し控える」ことを決めた。そのためHPVワクチンは危険だという認識が強く世論を支配し、以前は70%以上あった接種率が1%未満まで激減する事態となっている。だが、HPVワクチンが公費接種対象であることには変わりがなく、判断に悩む親も多い。それでは、国外の事情はどうであろうか?

◆子宮頸がんの100%近くはHPVが原因
 HPVの感染は、複数のタイプのがんを引き起こすことがある。なかでも子宮頸がんは「100%近くがHPV感染と関連して」発生するがんである(『アンフォ・カンセール』)。2018年には、子宮頸がんは「世界でおよそ57万件発生し、31万2000人の死者を出した。女性のがんのうち4番目に発生率が高い」ものである(同)。日本においては、日本産科婦人科学会によると、「年間約1万人が罹患し、約2800人が死亡しており、患者数・死亡者数とも近年漸増傾向」にある。

 HPVには100種以上の型があり、そのうちがんの原因となるのは約15の型である。なかでも、16型と18型は、70%の子宮頸がんの原因となるので要注意だ。2007年に欧州で最初に承認された「サーバリックス」はこの16型と18型の感染を予防する2価ワクチン。2006年にアメリカで承認された「ガーダシル」は16型と18型に6型と11型も加えた4価ワクチンであった。その後2014年には、さらに31型、33型、45型、52型、58型を加えた9価ワクチン「ガーダシル9」が登場した。このガーダシル9は「90%の予防力」(サンテ誌)を誇り、日本でも今年7月21日に承認されたところだ。

Text by 冠ゆき

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