新型コロナの後遺症は? 治療薬の副作用、精神面への影響も

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◆心理的影響
 Covid-19によるメンタルヘルスへの影響を予測するため、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らは、Covid-19だけでなく、SARSとMERSの重症患者を対象としたこれまでの研究、約70本についてメタ分析を行った。ランセット精神医学に発表された結果では、ほとんどの患者には精神医学的な後遺症に悩まされるリスクがないが、不安感やPTSDなどの障害は長期にわたって注意が必要、としている。

 執筆者のひとりロジャーズ教授は、「SARSやMERSのときに見られたようなうつ病、不安、疲労、心的外傷後ストレスなどのメンタル障害が発生しないか、(Covid-19)重症患者が治癒した後数週間から数ヶ月にわたって観察する必要がある」と述べている(ラ・デペシュ紙 5/20)。

 学術ニュースサイト『ザ・カンバセーション』(5/26)も、「(Covid-19)治癒後に起こり得る障害」として「不眠症、うつ病、記憶障害、心的外傷記憶」をあげる。同サイトはまた、今後の生活への不安が摂食障害や依存症の原因になり得ることや、アメリカ心理学会によるパンデミックと関連する「自殺リスク」考察、実際にインドやバングラデシュで起こったCovid-19に関連する自殺ケースを紹介し警告を鳴らす。

◆長い道のり
 Covid-19の後遺症は、臓器から精神状態まであらゆる箇所に及ぶだけでなく、完全に消え去るまで長い期間を要することが多いとみられる。フランス・アンフォ(6/3)によれば、パリのコシャン病院のロッシュ教授は「約20%の患者が、回復に予測より長い時間を要している」ことから、慢性疾患として扱う必要があるのではないかと疑っている。同国では、慢性疾患の治療にかかる費用は100%社会保険の適用となるため、現在複数の調査が行われている。

 命は助かったものの身体が思い通りに動かない、良くなったと思っていたら症状がぶり返した、本当に完治する日は来るのか、社会復帰は可能なのか、といった不安を抱えたCovid-19の感染経験者たちのコミュニティが、現在ネット上で形成されつつある。ハッシュタグ#apresJ20(20日後)#apresJ60(60日後)をつけた人々の声は、希望と絶望の間を上下し、励まし合う心に満ちている。長い道のりの果てに本当の意味での完治があることを願いたい。

Text by 冠ゆき