仏のマスク狂騒曲 政府の「不要」「不足しない」崩れ、国民大混乱
◆市の条例撤回を求める内務大臣
ところが、セルジー・ポントワーズ行政裁判所は4月9日、ソー市のマスク着用義務条例を「基本的往来の自由と個人の自由を深刻に侵害するもので、いかなる状況においても正当化できない」と判断し、その中断を求めた(CNEWS)。
しかも、20minutes紙によれば、クリストフ・カスタネール内相は同日、ソー市のようにマスクの着用義務付けを図るすべての市について、「それぞれの県知事に、これらの市長と話し合い、外出制限令施行期間中の条例を撤回するように要請した」のである。
このカスタネール内相の姿勢には、ネット上でも非難の声が溢れており、ソー市は、国務院に上訴することを決めた(同市長ツイート)。肝心の市民たちも、街頭インタビューを見れば、マスク着用義務を支持していることがわかる(CNEWS)。
マスクをめぐる政府の言動の矛盾の多さに、国民の不信感は高まるばかりのようだ。実際、フィガロ紙(4/10)によれば、国民の76%はマスクの有用性について政府が嘘をついていたと考えており、マスク着用の義務化を望むフランス人は72%にも上る。
マクロン大統領は13日、外出制限令のさらなる延期を告げる30分強のスピーチを行ったところだが、そのなかで一言、外出制限終了の5月11日から国民の手にマスクが手に入るようにすると言及した。果たして、一ヶ月後の配布の知らせにフランス人は喜ぶであろうか? フランスのマスク狂騒曲は、まだまだ終わりそうにない。
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