スマホの夜間モード、「効果薄い」と米研究

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◆ブルーライトで寝付きにくくなる理由とは
夜間モードはこれまで、睡眠の助けになると考えられてきた。米ニュー・アトラス誌はその原理について、神経ホルモンのメラトニンの働きを交えながら説明している。スマホの画面から放出される光は、波長480ナノメートル付近の成分を多く含む。眼から体内に入ると脳の松果体という部位に働きかけ、睡眠ホルモンとも言われるメラトニンの分泌を抑制する。そのため神経が昂り、寝つきにくくなってしまうというわけだ。スマホの夜間モードは、画面から放たれる光のうち青色の成分を削減することで、刺激の強い波長を抑えると考えられてきた。

今回の実験結果を受けてブリガムヤング大学(4月25日)は、「最近まで、Night Shiftがより良い睡眠をもたらすという理論がありました。しかし、ブリガムヤング大学が実施し(睡眠学術誌の)スリープ・ジャーナル誌に掲載された新たな研究は、スマホメーカー各社の主張する前提に異議を唱え、Night Shift機能が実際には睡眠を促進しないことを発見しました」と述べている。

◆睡眠時間別に追加検証
ただし実験では、iPhoneを使用しないグループを含めたすべてのグループ間で睡眠の差が見られなかった。これだけでは、夜間モードが機能しないのか、そもそもスマホの使用が睡眠にさほど影響しなかったのか、判然としない。

そこで研究チームは、睡眠時間の長さ別に再度データを分析した。平均睡眠時間が6時間未満の人々は疲労によっていずれにせよ早く寝付けるであろうことから除外し、理想的な睡眠時間である7時間から9時間を満たしている人々に限ってデータを再分析した。すると、明らかな差が確認されたという。この場合、就寝前にスマホを一切利用しない方が、ほかのグループよりも睡眠の状況が良好であったという。夜間モード有りで利用したグループとなしで利用したグループの間には、ほとんど差が見られなかった。

このことから論文は、ブルーライト単体が睡眠にもたらす影響は限られていると結論づけている。スマホ上で活動を続けること自体が心理的に寝にくい状態を生んでいるなど、ほかの要因が入眠時間に大きく影響していると見られる。夜間モードに頼りすぎず、やはり夜はスマホから手を離すのが一番のようだ。

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Text by 青葉やまと