眠りは早いが質低下、寝る前の飲酒 体で起きること、正しいつきあい方

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ワインやウイスキーなどで1日の緊張をほぐし、たっぷりと熟睡へ。そんなつもりで寝る前の一杯をあおるのは、実は逆効果かもしれない。たしかに早く眠りに落ちるようになる作用はあるが、数時間後には体内で逆の効果が生まれてしまう。

◆4割の人の眠りの質が低下
アルコールにはたしかに入眠を助ける働きがあるが、睡眠全体の質を下げてしまうことにもつながる。健康情報を届ける米イート・ディス・ノット・ザット誌(3月8日。以下「ETNT」)は、アルコールを摂取すると約4割の人々に睡眠の質の低下が見られるという研究成果を紹介している。4000人以上を対象にしたフィンランドでの研究の結果、寝る前に深酒をした人の39.2%に睡眠の質の低下が起きたという。

大酒を飲んだ場合だけでなく、わずかな酒量も眠りのペースを乱すことがあるようだ。米NBCの番組『トゥデイ』は、アルコールには鎮静作用があり、寝る前のリラックス効果を生むと認めている。そのうえで、寝る間際に飲んだ場合、たとえわずか1杯のアルコールであっても、いびきと無呼吸をもたらすことがあると注意を促している。ゆっくり疲れを癒すつもりで口にした一杯も、知らぬ間に無呼吸で苦しんだり、いびきで同居人の眠りを妨げたりするのでは、本末転倒となってしまう。

Text by 青葉やまと