大量廃棄される生ビール コロナ封鎖に泣く米ビール業界

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◆生き残りに必死 クラフトビールブームも終焉か
 ビールを廃棄せず有効活用する方法を見つけた生産者もいる。ワインに使われる5リットルのプラスチック袋や牛乳用の容器に詰めて販売したり、樽からタンクに移し替え、缶ビールに再パッケージしたりして販売を始めた会社もある。さらに他社と協力し、ビールを蒸留して消毒液やウィスキーにリメイクするなど、さまざまなアイデアが出てきている(NYT)。

 飲料業界向けサイト『just-drink.com』によると、世界には2万5000~3万件のビール醸造所があり、その3分の1はアメリカにある。小規模なものが多く、地元の支援を受けて存続する可能性もあるが、残念ながら世界が元に戻ったときには、かなりの醸造所がなくなっているだろうとしている。生き残りの方法の一つとして上げるのはデリバリーサービスで、いまの状態が続くなら小規模生産者は家飲みをターゲットにすべきだという。CBSの世論調査で71%のアメリカ人が、いまの封鎖が緩和されても外食に行くのは不安だと答えたことを受け、バーなどが元に戻るのはかなり時間がかかるとし、生ビールの衰退につながると見ている。

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Text by 山川 真智子