世界一売れている「平凡なクルマ」 トヨタ カローラが愛され続ける理由とは?

◆地域と時代にあわせて進化
 カローラは単に世界展開するだけでなく、ほかの多くの車種と同様、地域事情にあわせたカスタマイズが施されている。トヨタが運営するガズー誌では、海外向けにデザインされた各モデルを紹介している。北米向けカローラは日本のものと比較して一回り大きく、2.0Lガソリンも選択可能となっている。1968年から輸出が始まっており、現在では乗用車販売ランキングで10位にランクインするほどの人気だ。ほか、欧米では北米仕様よりも表情が引き締まっていたり、中国では若者向けのスポーティ仕様に力を入れていたりと、市場に応じたきめ細かなラインナップで世界のユーザーに訴求する。

 もちろん各モデルは数年ごとにアップデートされており、時代へのキャッチアップも抜かりない。モーター・ビスケットは2020年春に発売となった12代目カローラについて、革命的なテクノロジーによって安全性が一段と向上しており、さらにユーザーフレンドリーになったと評価する。アップデートのたびにカローラはデザインを刷新しており、とくに12代目は、同クラスで高い競争力を誇る本モデルの代表例になっているという。

 同12代目の欧州版についてはガーディアン紙が、新プラットフォームを採用し、隅々まで改良が行き届いていると講評している。先代より明らかにルックスに優れ、乗り心地もスムーズに改良されているとの評価だ。登場から半世紀を経てなお進化を続けるカローラは、これからも世界のユーザーの心を掴み続けそうだ。

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Text by 青葉やまと