世界一売れている「平凡なクルマ」 トヨタ カローラが愛され続ける理由とは?

 1960年代に生まれた初代以来、トヨタ カローラは国内外を問わず多くのユーザーに愛用されてきた。手ごろな価格と信頼性に注目が集まりがちだが、実は欠点とされがちな無難なデザインにも、世界進出を成功させた戦略が潜む。欧米では個人で行うある事業の相棒としても人気だ。初心者からプロドライバーまで、幅広い層の心を掴むカローラの魅力に迫る。

◆誕生から半世紀以上 いまも世界首位の人気
 初代カローラが発売されたのは、1966年11月のことだ。現行車種と同様、ゆったりとした室内空間を備える大衆車というポジショニングでデビューし、わずか3年余りで100万台を出荷する空前の大ヒットを記録した。開発を指揮したのは、戦時中に航空機の設計を行っていたという長谷川龍雄氏だ。航空力学の視点をクルマ作りに導入した氏は、カローラの開発にあたり「80点主義+α」を掲げ、バランスの良いクルマづくりを追求した。

 発売同年からオセアニアに、2年後にはアメリカへの輸出が始まり、1974年には世界で最も売れた車の座に君臨。デビューから半世紀以上を経たいまでも、カローラは世界で愛され続けている。海外の自動車業界でも知名度が非常に高いほか、トヨタによる製造とあってユーザからの信頼も厚い。現在までの累計出荷台数は4700万台を越えており、1997年にビートルを抜いて1位となっている。

 累計販売数だけでなく、一つの車種による年間生産台数でも世界首位となっている。2018年には世界合計でおよそ150万台のカローラを生産しており、平均すると約21秒に1台新たなカローラが世界のどこかに誕生しているという、恐るべきペースとなる。世界で売れるトヨタ車のなかでも5台に1台がカローラとなっており、そのニーズは衰えることを知らない。

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Text by 青葉やまと

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