「歓迎すべき新顔」欧州発売トヨタ ヤリスクロス、英誌「大胆なルックス、高い効率性」

トヨタ自動車

◆ルーツのヤリスに「心地良いまでに忠実」
 走行性能の面ではずば抜けたポイントはないものの、SUVとしては良好なコントロールを誇る。オート・カー誌は、「ルーツであるヤリスに心地良いまでに忠実」であり、コンパクトSUVとしては立派なボディ・コントロールを備えていると評価する。「これにより(高速などの)より速い道路では驚くほど楽しく、しかしまた、このクルマが本領を発揮するであろう都市部のシーンにもよく適している」と述べ、多様な状況で活躍するクルマだとの分析だ。短所として、ハイブリッドのパワートレインには最新版が導入されているものの、発進時にはしばらくエンジンの唸りが響く。ただし、一度スピードに乗ってしまえばシステムの完成度の高さが感じられ、不満はほぼないと同誌はコメントしている。

 英オート・エクスプレス誌(8月31日)も、ほぼ同様の分析だ。新型ヤリスクロスは、まるで最新のヤリス・ハイブリッドの長所をコンパクトSUVの形に手際良く詰め直したようだ、と同誌は例える。それゆえヤリスクロスは、余計なサプライズのないクルマと見ることもできよう。しかし同誌はまた、「驚かせるほどのパフォーマンスとはいわないまでも、例外的なまでに効率性に優れている」と述べ、高い実用性に注目している。ハイブリッドのドライブトレインは馴染みやすく、「途方もない燃費をかんたんに引き出すことができる」との評価だ。

◆欧州版は5つのグレードで
 トヨタ ヤリスクロスは、英国では5つのグレードを揃える。エンジンはいずれもハイブリッドだ。エントリーモデルの「アイコン」はスマホ接続やスマートエントリーなど流行の機能を備える。一つ上位の「デザイン」は一回り大きな17インチ・アロイホイールとし、LEDヘッドライト・リアライトを装備した。「エクセル」は18インチ・アロイホイールとなり、踏み込むことで開放する電動リアゲートを搭載する。ここまでのグレードは、FWDモデルのみの用意となる。「ダイナミック」ではインテリジェント・クルーズ・コントロールに対応するほか、4WDを選択可能だ。最上位の「プレミア・エディション」では10インチ・カラーHUDを提供し、JBL製サウンド・システムでより円熟した空間を演出する。

 基本価格は最も入手しやすいイコンの2万2515ポンド(約337万円)から、プレミア・エディションの4WDモデルで3万545ポンド(約457万円)となっている。イギリスなど欧州で現在販売中だ。

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Text by 青葉やまと