「これこそ優れたオールラウンダー」ヤリスクロス新型、英誌期待「驚きと喜び与える」

トヨタ自動車

 トヨタ ヤリスをSUV化した「ヤリスクロス」は、昨年8月の発売以来、好調なセールスを記録している。現在は新型の発売を9月に控え、国外でも期待が高まっている。完成間近のプロトタイプに試乗したイギリス各誌は、トヨタの長年の技術を投じた信頼のおけるクルマだと評価しているようだ。

◆トヨタの技術の粋を集める
 ヤリスクロスは、ヤリスと同じくTNGA-Bプラットフォームを基礎に据えている。英オート・エクスプレス誌(6月24日)は、「トヨタのモジュール式の(そして非常に感銘を与える)自動車アーキテクチャー」と紹介し、「落ちこぼれだったふつうのヤリスをフィエスタのライバルへと変えた」プラットフォームだと評している。TNGAは、車種を超えて規格を共通化する「モジュール化」の推進役を担う存在だ。本プラットフォームの採用により、新型ヤリスクロスはコンパクトSUVとしては特筆すべきボディコントロール性能を獲得した、と同誌は評価する。適度な重みのあるステアリングは意のままに曲がることができ、乗り心地についてもほとんどあらゆるシーンで満足できるレベルだという。

 ヤリスクロスには以前からトヨタの技術が惜しみなく投入されており、ある意味で成功は必然だった。兄弟車のヤリスは、2021年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。英サン紙(6月28日)は、ほかにもRAV4で30年近く蓄積した4WDの開発ノウハウや、25年ほど取り組んでいるプリウスのハイブリッド技術など、トヨタの長年の経験がヤリスクロスには投じられていると分析する。「小さなRAV4のように小型でがっしり、自己充電式で外部充電はなし、スマホと接続できて、運転も駐車も簡単、そして確かなトヨタの製造品質。きっと成功を収めるに違いない」と同紙は述べ、現行モデルに続いて新型の人気も手堅いだろうと見ているようだ。

Text by 青葉やまと