「ただ良いではない、グレートだ」トヨタGR 86、米誌試乗レビュー

トヨタ自動車

◆2.4Lに大型化のエンジン
 搭載のエンジンは依然として自然吸気のみとなるが、従来のトヨタ 86よりも大型化することでパワーを増した。従来モデルの2.0リットルに対し、2.4リットルエンジンとなっている。出力では23psほど向上した計算だ。さらに、低速域でもパフォーマンスを発揮しやすい特性へと変化し、最大トルクを発揮するエンジンの回転域は従来の6400rpmから3700rpm付近へと移行した。米モーター・トレンド誌はこれにより、街中でのドライブからお気に入りのサーキットまで、さまざまなシーンでパフォーマンスを発揮しやすくなったと評価している。

 一方、米カー&ドライバー誌(8月17日)は、パワーよりも機敏さに美点を見出すことのできるモデルだと述べている。最大出力235psのGR 86はマスタング シェルビーGT500のような大きなエンジンを積んでいないが、「このクルマのシャシーと操作系統を通じて広がるスピード感を味わうことができる」と本モデルの特性を評価する。SUVとEVが脚光を浴びているこの時代、トヨタはあえて後輪駆動のスポーツ・クーペというフィールドに投資したことになるが、その結果は「ただ良いという出来でなく、素晴らしいもの」になったと記事は総評している。

◆国内では今秋登場
 アメリカでは今年11月の発売を予定しており、北米トヨタは3万ドル(約330万円)を切る価格になると案内している。グレードは「ベース」と「プレミアム」の2種類。現行モデルの86より若干値上がりすると思われるが、ロードショー誌は、「よりパワフルで扱いやすく、シャープに見えるスポーツクーペのために追加でお金を払っても不満はない」とし、「トヨタがGR86を存続させ、正しいアップデートをしてくれることがただ嬉しい」と述べている。

 日本国内では6速MTのみに対応したエントリーモデルの「RC」に加え、6速スポーツATも選択可能な上位モデルの「SZ」「RZ」の計3種を用意する。国内販売開始は今年秋頃の予定で、一部報道によると10月下旬以降の納車になる模様だ。

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Text by 青葉やまと