取り戻した「らしさ」 日産パスファインダー新型、米誌「正しい道に」「魅力的な選択肢」

日産自動車

◆課題だったCVTを廃止
 ドライビング性能も確実に進化している。米モーター・トレンド誌(6月9日)は、パスファインダーが「正しい道に帰ってきた」と歓迎している。ルックスの向上や思慮あるパッケージングに加え、さらに磨かれたドライブトレインがポイントになるのだという。ファミリー向けとはいえSUVに属するパスファインダーは、このところ走破性への不満が高まっていた。とくに課題はCVTで、意図にそぐわない挙動がストレスの種になっていたと振り返る。同誌はかつて、道なき道をゆく「パスファインダー」ではなく、買い物くらいにしか使い所のない「モールファインダー」なのでは、と厳しくコメントしていた。

 新型はCVTを廃止し、9速ATを採用する。北米ではSUVの指標の一つとして牽引能力が重視されているが、競合が5000から5600ポンドを限界としているのに対し、新型パスファインダーは6000ポンドという圧倒的な性能を実現した。モーター・トレンド誌は、CVTでこれが不可能だったという証拠はないものの、やはり物理的に噛み合ったギアが真価を発揮したものと見ている。

 ロード・ショー誌も同様の感触を得たようだ。新型のドライビング感覚は良好で、9速ATが多大な貢献をしていると述べている。低速域ではギアチェンジが一瞬遅れることもあるが、全体としての挙動はパワーも含めて不満がなく、CVTよりもかなり気に入ったと同誌は述べる。

◆今夏北米に登場
 新型パスファインダーは、2WDと4WDから選択可能で、グレードは「S」「SV」「SL」「プラチナ」の4種を揃える。堅牢かつモダンなデザインと新型9速トランスミッションに加え、走行モードを7種から選択可能なインテリジェント4WDなどが特長だ。安全性能ではすべてのグレードで日産セーフティシールド360を標準搭載するほか、上位の「SV」「SL」グレードではプロパイロット・アシストに対応する。これは高速道路において加減速およびステアリング操作をサポートするもので、シリーズ初搭載となる。

 2022年型日産 パスファインダーは今夏、北米で発売予定だ。

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Text by 青葉やまと