満を持して欧州デビュー、3列SUVトヨタ ハイランダー 英誌、2.5Lハイブリッドに好感触

トヨタ自動車

 トヨタは今春、3列SUV「ハイランダー」をヨーロッパ市場に初めて投入した。初代発売から20年以上を経て、満を持しての登場となる。欧州にはすでに大型SUVのライバル勢がひしめくが、ハイブリッドを標準構成としたパワートレインと取り回しの良さで攻勢をかける。

◆由緒ある血統
 ハイランダーは北米市場においてガソリンモデルとハイブリッドモデルが併売されているが、環境規制の厳しいヨーロッパ市場ではハイブリッド・モデルのみの発売となっている。かつては日本でも、初代が「クルーガー」の名称で販売されていた。

 2000年以来絶えず改良を続けてきただけあって、現地の反応は良好だ。英オート・エクスプレス誌(3月30日)は、汎用性、実用性、そして非常に安いランニング・コストなど、ファミリー向けの大型SUVに求められる「強力な手札を持っている」と評価する。21年前にアメリカなどで発売された車種がついにヨーロッパに上陸するとも述べ、「過去20年以上にわたる好調なセールスに裏打ちされた由緒ある血統」のトヨタ車だと紹介している。

 トヨタの大型SUVとしては、すでにランドクルーザーが欧州で販売中だ。新型ランドクルーザー300でもTNGAプラットフォームが採用される公算が高いなど共通項はあるものの、ハイランダーとはプロポーションがまったく異なる。オート・エクスプレス誌は高さを抑えたハイランダーを、オンロード中心のファミリー向けSUVと位置付けている。

 英カー誌(3月30日)もハイランダーのポジショニングについて、オンロードにフォーカスしたSUVだと分析している。欧州市場はファミリー層をねらったSUVが揃っており、シュコダ コディアック、キア ソレント、ランドローバー ディスカバリーなど、ライバルは枚挙にいとまがない。同誌はハイランダーの強みとして、標準でハイブリッドのパワートレインを備えていることや、手厚い標準装備、それに実用的にデザインされたインテリアなどが武器になるのではないかと見ている。

Text by 青葉やまと