続く軍事的緊張 台湾情勢は今後どうなるのか

Chiang Ying-ying / AP Photo

◆中台関係の行方を左右する総統選挙
 今後の中台関係ではやはり次の指導者を選ぶ総統選挙が鍵を握り、4ヶ月後の来年1月13日に投開票が行われる。与党・民進党から頼清徳副総統、野党・国民党から侯友宜氏、そして民衆党から柯文哲氏がそれぞれ立候補を表明しているが、ここで誰が総統に選ばれるかで、その後4年間の中台関係は大きく変わってくる。

 中国の習近平政権はそれを注視しており、仮に中国との関係を重視する指導者が誕生すれば、今のような緊張関係は和らいでいく可能性が高い。しかし、蔡英文氏の政策を継承する人物が総統になれば、中台関係はいっそう悪化していく可能性が高く、緊張が続く4年間となる。その間に有事が発生するかはわからないが、非常に緊迫した事態が訪れる可能性を今のうちから想定しておく必要があるだろう。

Text by 本田英寿