2023年の世界はどうなる ウクライナ戦争、台湾情勢、世界の亀裂

ウクライナのゼレンスキー大統領(2022年12月20日)|Ukrainian Presidential Press Office via AP

 2023年が始まった。今年の世界情勢は一体どうなるのだろうか。ちょうど1年前、大多数の人はロシアが2月にウクライナへ侵攻することを予測していなかった。当初、軍事・安全保障の専門家だけでなく、東欧やロシアの専門家も侵攻しないと相次いで主張していたが、2月24日以降、世界情勢は大きく変わることになった。今年も昨年同様、多くの人が予想しなかった事態が起きる可能性がある。

◆出口戦略が一向に見えないウクライナ情勢
 軍事侵攻したプーチン大統領への風当たりは当然のごとく厳しくなり、多くの外国企業がロシアから撤退し、ロシアが政治経済的に被った損失は計り知れない。

 しかし、プーチン大統領は依然として強気の姿勢を崩しておらず、アメリカやウクライナと対話しようとする意志さえ示さない。アメリカのバイデン政権は今後もウクライナを支える方針で、中国もロシアと近からず遠からずのポジションを維持しており、ウクライナ情勢においてはまったく出口戦略が見えない状況だ。今年もこの状態が続く可能性が高く、大きな進展は現在のところ期待できそうにない。

◆台湾情勢では緊張が昨年以上に高まるか
 一方、ウクライナ情勢以上に今後深刻な問題になる潜在的リスクがあるのが台湾情勢だ。昨年、台湾をめぐる情勢は8月のペロシ米下院議長の台湾訪問がきっかけとなり、軍事的緊張が高まった。台湾問題が米中双方にとって譲れない問題となり、中国は軍事演習や経済制裁などあらゆる手段を通じて台湾への圧力を強化している。

Text by 本田英寿