高まる「反習近平」への習氏の戦略は 国民の目をそらす常套手段なら日本へも影響

北京での抗議デモ(27日)|Ng Han Guan / AP Photo

◆対外強硬姿勢で不満・批判をかわす恐れ
 こういった国内での政権批判が高まれば、習氏は国民の不満や批判をかわすため、対外強硬姿勢を強めることで国民のナショナリズムや愛国心を高揚させようとするかもしれない。台湾情勢や米中対立はこれまで以上に緊張が高まっているが、国内で反政権的な動きが強まれば、台湾への経済制裁やサイバー攻撃、軍事的威嚇などをこれまで以上に活発化させる可能性がある。

 また、これは日中関係にも当てはまることで、台湾情勢で緊張が高まれば、中国は米国の軍事同盟国である日本に対してもより強硬な姿勢で臨んでくる可能性が高い。そうなれば、たとえば半導体関連の品目の輸出規制や日本製品の輸入停止など、経済的な部分で日本に揺さぶりをかけてくることも考えられるだろう。

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Text by 本田英寿