ウクライナ熱望の高機動ロケット砲システム「HIMARS」、米が提供へ 射程80キロ

M142高機動ロケット砲システム(HIMARS)|Tony Overman / The Olympian via AP

 アメリカのバイデン大統領は、ウクライナに対して新たに投じる7億ドル(約900億円)の軍事支援の一部として、射程距離約80キロのミサイルを発射可能なロケットシステムを提供する考えを示した。仮にウクライナ側が国境付近に配備すれば、ロシア領への直接攻撃も可能となる。米政府筋は、そのような使い方をしないとウクライナ側が確約しており、これを信頼したと述べている。

◆射程80キロのロケットを発射可能
 英テレグラフ紙(6月1日)によると米政府高官は、中距離の射程をもつM142高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」を少数提供することになるとの見通しを示した。HIMARSは射程約80キロのミサイル6発をコンテナから発射するもので、トラックに搭載する形で移動が可能だ。

 ニューヨーク・タイムズ紙(5月31日、以下「NYT」)は、HIMARSは衛星誘導システムに対応した精密誘導弾を発射でき、着弾時の威力は空中投下式の500ポンド爆弾にほぼ相当すると解説している。

Text by 青葉やまと