2022年の世界情勢の行方:試される日本外交の主体性

Yoshikazu Tsuno / Pool Photo via AP

 よって中国を取り巻く情勢が厳しくなるが、日本の立ち位置が米国と同じということはない。基本的に日本は米国と共同歩調を取ろうとするだろうが、最大の貿易相手国に対して岸田政権は独自のポジションを構築することを模索する。まさに日本外交の主体性が試される年となるだろう。バイデン政権も対中国において日本の役割を期待しているだろうが、日本には日本なりの対中姿勢があると認識しているはずだ。

◆台湾有事は日本有事
 一方、我々は昨年、邦人保護という問題を大きく考えさせられた。アフガニスタンでタリバンが実権を握った際、邦人をどう安全に退避させるかが大きなトピックになったが、米中対立が激化するなかでは、台湾有事について我々はもっと真剣に議論する年になるだろう。台湾には2万人あまりの日本人が生活しているが、有事の前に全員が退避できるわけではない。有事となれば、与那国島など八重山諸島への邦人退避(外国人や台湾人も)が現実となるだけでなく、米軍基地がある沖縄本島も紛争地帯になる可能性も否定できず、まさに台湾有事は日本有事になる。

 中台関係においても、昨年譲歩や歩み寄りは見られなかった。両者ともあからさまな軍事衝突は避けるだろうが、偶発的衝突によって事態が瞬時にエスカレートする恐れがあり、今年の世界情勢において中台関係の行方は極めて大きなポイントになるだろう。

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Text by 和田大樹