技術革新と戦争(1) 舞台はサイバー、宇宙へ ドローン、AIの活用

ホワイトハウスで8月29日に行われた米宇宙軍の発足式典|The White House / Wikimedia Commons

◆サイバー部隊、宇宙軍の創設
 21世紀に入り、インターネットやSNSなどの発達によって、国家安全保障の領域においても、サイバー攻撃やサイバーテロは最重要トピックになっている。北朝鮮や中国からのサイバー攻撃、米大統領選におけるロシア疑惑など、各国は軍事・防衛に関する機密情報を漏洩されないよう、サイバーセキュリティを専門とする軍部隊を強化している。

 また、SF映画を見ているかのようだが、宇宙空間の利用をめぐっても大国間の競争が激しくなっている。長年、宇宙空間では米国やロシアがリードしてきたが、近年は中国が宇宙分野で力をつけてきており、米国はそれを強く警戒している。まさに米中競争は宇宙空間でも展開されようとしている。トランプ大統領も8月下旬、「米宇宙軍」の創設を発表し、米宇宙軍は中央軍や特殊作戦軍などに並ぶ11番目の統合軍となった。

◆ドローン、3Dプリンタ、AIと戦争
 さらに、我々はドローンや3Dプリンタ、AIなどがいかに戦争に利用されるのかという難題に直面している。イエメンのシーア派組織フーシ派やイスラム国、ナイジェリアのボコ・ハラムなどは、攻撃、情報収集、偵察用ですでにドローンを使用しているというが、このようなテクノロジーがさまざまな場面で悪用される危険性があり、今後さらに大きな議論を呼びそうだ。

 ドラえもんの映画を観たことがある人は多いと思うが、そのなかにはロボットたちとの戦いが多く描かれている。すぐにそういった時代が来るわけではないが、いま自律型兵器やロボット兵器などへの懸念は少なからず出てきている。

Text by 和田大樹