中国初の国産空母「001A」にトラブルか 海上公試直後に再試験

GG001213 / Wikimedia Commons

◆中国発表よりも実用化は先か
 空母建造にトラブルはつき物とはいえ、どうやら中国が公言するよりも配備には時間がかかりそうだ。中国国防省は昨年5月、001Aが初期作戦能力を備えていると発表した。これはすなわち、最低限度の作戦能力を備え、配備可能な水準にあることを示す。しかしSCMP紙は、初期作戦能力をすべて満たしているわけではない、とする北京の海事専門家による見解を伝えている。中国が保有する唯一の空母「遼寧」は訓練目的という位置づけが濃厚だが、より実戦向けの001Aはそれよりも高い試験水準をクリアしなければならない。空母自体のエンジンから戦闘機との無線システムに至るまで、多岐にわたるテストが必要だ。中国建国70周年を祝う10月1日の式典には間に合わせたいところだが、すべては公試の進捗次第だと専門家は語る。

 ナショナル・インタレスト誌は、中国が001Aを使いこなせないと決めてかかる理由など何もないと述べており、テストの失敗がすなわち問題にはならないとの立場だ。ただし、001Aを使いこなすには時間がかかるのではないかとの見解も示している。中国海軍は試行錯誤を繰り返しながら、浮かび上がる課題に一つひとつ対処してゆくことになるだろう。

Text by 青葉やまと