中国初の国産空母「001A」にトラブルか 海上公試直後に再試験

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◆公試直後に再試験
 しかし、4日間の海上公試終了直後、遼寧省海事局は再び航海禁止区域を設定した。このため、急きょ2度目の海上公試を実施したとの見方が主流となっている。SCMP紙は香港の軍事コメンテーターによる分析を引用しながら、001Aになんらかの技術的トラブルが発生し、それにより2度目の公試が設けられた可能性を指摘している。試験終了から2日と経たずさらなる試験に突入したことから、なんらかの不測の事態が発生したことが考えられる。専門家は今後について、さらに集中的な公試が行われる可能性にも言及している。

 もっとも、空母の建造が難題に直面するのは珍しいことではない。技術誌のポピュラー・メカニクス(8月14日)は、「空母の建設は、非常に、非常に複雑で高くつく」と述べている。理由の一つはその規模だ。垂直離着陸機などの例外を除き、艦載機は一定規模の滑走路を必要とする。さらに艦載機への補給用の燃料も積載することから、必然的に空母のサイズは大きくなり、排水トン数も増大する傾向にある。そのため、空母自体の推進器も大型のものを採用せざるを得ない。「海に浮かぶ都市」とまで言われる空母は、大きなものでは6000人が働き、生活を営む。このような大型船舶の建造には緻密なテストが必要であり、問題が確認されることも珍しくないというわけだ。

 ナショナル・インタレスト誌も、テストで問題が発生することは何ら驚きではないとの立場を示している。経験豊かなアメリカ海軍でさえ、フォード級空母の電磁カタパルトは満足にテストできておらず、弾薬エレベーターの稼働にも問題を抱えている状況だ。これまで実戦向け空母の建造経験がない中国であれば、経験の蓄積に時間がかかるのも当然だとの捉え方があるようだ。

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Text by 青葉やまと