中国軍、「コピーのコピー」で急速に近代化 陸軍重視の脱却ともない

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◆低コストという「後発のアドバンテージ」
 これらの戦力強化は、中国の巨額の軍事予算があってこそだが、それでもアメリカの防衛支出に比べれば1/3以下だ。しかし、これをもって米中のパワーバランスを単純比較することはできない。DIAの報告書は、装備のコストや人件費が米軍よりもずっと低い点を「後発のアドバンテージ」に挙げる。

「中国は、(海外兵器の)直接購入、改良、知的財産の盗用により、各国の軍隊で最も効率的な基盤をルーティン化させた」と、DIAは分析する。その顕著な例が空母だ。2012年に就役した中国初の空母「遼寧」は、旧ソ連製の建造途中の空母をウクライナから購入し、改良を加えたもの。今春にも就役すると言われる2隻目の001A型は、初の純国産空母と謳われているが、実際のところは「遼寧」の改良型で、発展的な「コピーのコピー」だと言える。

 1927年に中国共産党の私兵集団として誕生した人民解放軍は、国民党軍との内戦を経て、事実上中国の正規軍として、長年国内の防衛を主任務にしてきた。しかし、2000年代以降は、活動範囲を世界に広げつつあり、先制攻撃を含む予防的防衛任務を新たなドクトリンに掲げている。2017年にはアフリカ北東部のジブチに初の海外基地を建設。パキスタン、カンボジア、スリランカでも基地開設準備を進めている。

「現在のPLAの戦略目標は国土の防衛から、東アジアと西太平洋の支配、さらにはインド洋への進出に拡大した。北京の最終目標は、グアム、沖縄の基地と韓国・日本との同盟に象徴されるペンタゴンの東アジアの足がかりを削ぎ、その防御力を排除することだ」(ナショナル・インタレスト誌)。日本が人民解放軍の主要攻撃目標の一つであることは、紛れもない事実だ。

                                                                                                                 

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Text by 内村 浩介