日本製最新鋭潜水艦「おうりゅう」、世界が「リチウムイオン電池」初搭載に注目

Hunini / Wikimedia Commons

 海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦の最新鋭艦「おうりゅう」が今月4日、進水した。潜水艦としては世界で初めてリチウムイオン電池を搭載するなど、その最新技術は海外からも注目されている。

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◆航続距離・連続潜航時間が大幅に向上
「おうりゅう」は、2005年から三菱重工と川崎重工が建造する「そうりゅう型」の11番艦。海上自衛隊の呉及び横須賀基地に1番艦「そうりゅう」から9番艦「せいりゅう」までが配備済みだ。昨年11月に進水した10番艦「しょうりゅう」は来年3月に横須賀に配備される予定。今回進水式を迎えた「おうりゅう」は2020年就役予定で、昨年1月に着工した12番艦も来年進水・2021年就役となる予定だ。

「おうりゅう」は、これまでの「そうりゅう型」から大きな発展を遂げた。その肝となった技術が、リチウムイオン電池だ。スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラなどの小型家電では既に普及しているが、潜水艦に用いられたのは世界初。従来の鉛蓄電池に比べて2倍以上の重量容積あたりのエネルギー密度があり、航続距離や連続潜航時間が大幅に伸びた。

 ディーゼルエンジンを回して蓄電池に電力を蓄え、静音性が求められる作戦行動や戦闘の際には電力のみで活動するのが通常型潜水艦のシステムだ。ハイブリッド車に近い発想と言える。ただ、ディーゼルエンジンは空気を必要とするため、定期的に水面近くに浮上する必要があり、行動に制約が出たり、敵に発見されるリスクが高まることがネックになっている。原子力潜水艦ではこれをほぼ克服しているが、原子力に依存しない通常型潜水艦である「そうりゅう型」では、これまで非大気依存推進(AIP)システムによる補助動力装置(スターリングエンジン)でこれを補っていた。

Text by 内村 浩介

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