なぜ日本メーカーはEVに消極的? 取り残されるのでは? 疑問の海外メディア

Bandit Chanheng / Shutterstock.com

◆欧州で補助金パワー炸裂 今後の縮小を憂慮
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、現在欧州では記録的なペースでEV購入が増えているという。欧州では、脱炭素に加え景気回復策の一つとして、ハイブリッドも含めEV購入に補助金や税制優遇措置が設けられており、これが追い風となって各社がEV投入を進めている。もともとEVは巨額投資をしてまで開発を進めるほどの市場ではない、と見ていた業界の認識がすっかり変わってしまったという。

 しかし長期的に見れば、好調なセールスが続くかどうかはわからないという。中国では、欧州と同様に補助金をつけることでEVのセールスが伸びたが、補助金を大幅にカットした後に減少した。パンデミックも影響して、「2025年までに新車販売の20%をEVにする」という目標は無理ではないかと見られている。(同)

 欧州の多くの国では補助金は年末に終了予定で、中国の二の舞になることが心配されている。自動車メーカーは短期的な現象で終わらせないために、充電ステーションなどインフラの整備、バッテリー工場建設へのサポート、二酸化炭素排出への課税など、EV市場が自立できるための政府の援助を期待している。(同)

次は EVは環境問題の救世主ではない 抱えるさまざまな問題点




【関連記事】
近づくEV時代 自動車産業の労働者の未来は?
日本は“電気自動車革命”に取り残される? 「過去最大の挑戦」が状況を変えるか

Text by 山川 真智子