飲食店・電車などに接種証明が必要に フランス、ワクチン促進を強化

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◆PCR検査の有料化
 衛生パス利用拡大の理由を「できるだけ多くがワクチン接種に踏み切るため」だと明言するマクロン大統領は、これまで完全無料だったPCR検査の秋以降の有料化も発表した。ワクチン接種を受けず、PCR検査で衛生パスを取得するケースを減らすためだ。

 実際、隣国のスイスでは、若い世代に、ワクチンを受けず、週末ごとにPCR検査で衛生パスポートを取得することを好む傾向が見られる(ル・タン紙、7/9)。フランスのようにPCR検査が無料のままだと、この傾向にさらに拍車がかかると考えられたわけだ。

◆ワクチン予約に絶大な効果
 大統領がスピーチで提示したそのほかの措置は、国境コントロールの強化、夏休み明けの学校施設でのワクチンキャンペーン、早い時期にワクチン接種した人を対象とする3回目の接種開始である。

 大統領のスピーチの効果は大きく、スピーチ後、フランスのワクチン予約サイトにはアクセスが集中し、最多で1分間に2万件、最終的には月曜だけで92万6000件の予約が取られたという。

Text by 冠ゆき