飲食店・電車などに接種証明が必要に フランス、ワクチン促進を強化

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◆衛生パスの利用拡大
 次に特筆すべきは、衛生パスの利用拡大だ。一般市民に最も深く関わる措置でもある。

 EUが7月1日にリリースした「新型コロナウイルス証明書」にあたるものをフランスでは衛生パスと呼んでいる。同国では6月9日に導入され、ワクチン接種や陰性証明などで入手可能だ。取得可能な時期は、ワクチンの接種の場合、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカなら2度目の接種から2週間後、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは1度きりの接種から4週間後、新型コロナ感染者は1度だけの接種から2週間後とされている。PCR検査あるいは抗原検査の陰性証明から取得する場合は、イベント参加に用いるなら48時間以内、国境を越える場合は72時間以内の陰性証明書が必要とされる。また11日~6ヶ月前の陽性証明によっても、再感染のリスクが少ないという理由から衛生パスを取得することができる。

◆電車に乗るにもカフェに入るにも必要に
 この衛生パスは、これまでは、1000人を超える規模の文化施設やイベント参加、また外国旅行に必要とされてきた。マクロン大統領は今回、この衛生パスを適用する場所の拡大を発表したのだ。

 それによれば、7月21日からは、「50人を超える規模の文化娯楽施設」を利用する12歳以上は衛生パスが必要となる。具体的には劇場やアミューズメントパーク、コンサート、映画館などだ。さらに続いて8月からは、「カフェ、レストラン、病院、老人ホーム、医療社会施設、飛行機や電車、バスなどの長距離交通機関」にも、利用が拡大される予定だ。(フランス・アンフォ、7/12)

Text by 冠ゆき