第3波のピーク超えた? 制限緩和に向かう欧州

カフェのテラス席で飲食する人々(オランダ・ユトレヒト、4月28日)|Peter Dejong / AP Photo

◆3分の1がワクチン接種のポルトガル
 一時は人口あたり世界最悪の感染者数を記録したポルトガルも、ロックダウンとワクチン効果で、2月からは急激に感染が落ち着いた。丸2ヶ月に及んだロックダウンと、ワクチン接種キャンペーンのおかげで、1月末には一日1万3000人近くを数えた新規感染者も、約500人にまで減少した。(20 minutes、4/27)

 制限は3月から徐々に緩和され、4月19日には、ショッピングセンター、カフェやレストランの室内席、劇場、高校・大学が再開した。人数制限やフィジカルディスタンスなど感染予防対策は必要だが、テラス席ではなくレストランの室内席で食事ができるという点で、他国に抜きんでている。(ウェスト・フランス紙、4/19)

 さらに、4月27日には、11月から続いていた緊急事態を延長しないと発表。よって、4月30日には緊急事態が解かれることになる。

◆5月3日から2ヶ月かけて緩和のフランス
 4月頭にロックダウンに入ったフランスは予定通り4月26日、小学校通学を再開。続いて中高生も5月3日からの通学再開を予定している。国民向け正式スピーチを前にマクロン大統領が4月29日にメディアに語ったところによると、5月3日には自宅から半径10キロメートルを超える移動が自由になる。19日には、8ヶ月の休業を強いられているレストランのテラスの営業再開、また半年ぶりの文化施設の営業再開が予定されている。続いて6月9日にはレストランやカフェの室内席やスポーツ施設が開かれる見込みだ。夜間外出禁止令の施行は6月30日まで続くが、徐々に時間を遅くずらしていく予定だ。(フランス・アンフォ、4/29)

 だが、フランスの現在の感染状況は、ピークは超えたと見えるものの、いまだ一日の新規感染者数が3万人を超える日も少なくなく、目標としていた2万人未満までは遠い。減り方も昨年11月の半分のペースであることをベラン保健相も認めており、まだ「危うい」状況といえる(RTL 5 minutes、4/23)。

Text by 冠ゆき