中国建国70年 世界最長の共産党政権はどこへいくのか

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 中国は10月1日に建国70周年の国慶節(建国記念日)を迎えた。1949年に毛沢東によって建国を宣言した中国は、文化大革命など多大な犠牲を出した失敗を経て、1980年代に市場経済を導入し、大きな発展を遂げた。いまや市場経済と社会主義経済のハイブリッドで世界第2位の経済大国となった中国を欧米のメディアと識者はどう見ているのか。

◆改革開放で成長 豊かになった中国
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の社説は、鄧小平氏が改革開放路線に転じて以後、中国と歴史的に比べることができる国はほとんどないとする。中国は西側の開かれた市場を利用し、14億人の人口で海外の投資家を引き寄せ、数億人の国民を貧困から救った。そして輸出大国となり、テクノロジー大国になろうとしている。アメリカも世界も中国の発展から恩恵を受けてきた。もし発展がなく、数百万人の国民が移民を目指しているような別の中国であったなら、どうだっただろうかとしている。

 ガーディアン紙の社説は、中国は兄ともいえるソ連よりも長生きとなり、西側経済をも追い越したと述べる。この70年で、寿命、識字力、収入において、中国は驚くべき進歩を遂げたが、これらの進歩の陰には、多くの恐ろしく、そして必要のない犠牲があったとする。毛沢東の大躍進政策は飢餓を引き起こし、文化大革命は数千万人を追い詰めた。しかしこのようなひどい被害にあった人たちさえ、今日の中国を祝福する理由があるとし、多くの中国人が発展をもたらした共産党支配に感謝していると述べている。

Text by 山川 真智子