出馬表明のバイデン氏、トランプ氏より先に「身内」から洗礼? 米大統領選

Charlie Neibergall / AP Photo

◆バイデン氏の「敵」は身内の民主党?
 現在のところトランプ氏からは軽いジャブは受けているもののうまくかわしているバイデン氏だが、それより手ごわい攻撃は身内である民主党内の「プログレッシブ」と呼ばれる左派からきている。これは社会主義者であるバーニー・サンダース上院議員の流れを汲む一派で、サンダース議員はいまのところ大統領選の民主党予備選に立候補した人々のうちバイデン氏に次いで支持率2位につけている。つまり、トップを走るバイデン氏は彼らにとって邪魔な存在なのだ。

 アレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員をはじめとする、この「プログレッシブ(進歩派)」に属する民主党議員たちは、かなり左寄りの意見や政策を推しており、共和党内の右派・極右派とは逆とはいえ共通する政治姿勢を持つ。

 しかし、アメリカ人の多くはたとえ民主党員であってもプログレッシブの意見を支持していない。前回の大統領選でヒラリー・クリントン元国務長官が敗北した理由は、オハイオ州やペンシルバニア州、ウィスコンシン州など、一般的に保守的な州に住む中道派の民主党員が寝返ったせいもある。大多数の人々は「開かれた国境」や「囚人に選挙権を与える」ことに関心を持ってない。

 プログレッシブはそんな中道派民主党員が熱心に支持するバイデン氏に危機感を感じているようだ。5年前にバイデン氏に肩に手を置かれて髪にキスされたというサンダース氏支持者の女性が「不適切に体を触られた」と“告発”したことは記憶に新しい。バイデン氏の過去をほじくり出して足を引っ張る戦術に出ている可能性もある。

                                                                                                                 

 バイデン氏の今後の課題は、中道派の支持を保ったままでプログレッシブ派にうまく歩み寄ることにある。まず民主党予備選で勝利し、戦術的に正しい副大統領候補を選ぶことも重要になるだろう。

Text by 相馬佳