モラー・レポートで「トランプ氏の潔白」は証明されたのか?

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◆国民の3割が「潔白が証明された」
 しかし大喜びで結果を誇張し、シフ氏を攻撃するトランプ氏を尻目に、アメリカ国民はモラー氏の400ページにおよぶレポートが大幅に省略されてわずか4ページになっていることを知っており、トランプ氏の主張が必ずしも正しくないことを理解しているようだ。

 ニュースサイト『Slate』の3月31日付記事によると、アメリカ国民の29%がモラー氏がレポートでトランプ氏の潔白を証明したと考えているという。

 一方、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)(電子版)は3月20日、トランプ大統領がレポートが公開される前の20日、「私はレポートを見たい。それに、誰に見て欲しいかわかるだろうか?  私たちが史上最高の経済を経験しているという事実を満喫している数千万人の人々だ」と話し、レポートが一般公開されることを支持していたと報道している。

 しかしトランプ氏はバー司法長官がレポートをまとめた書簡を公開するとその口調を一転させた。4月2日には、「どんな量の証言や文書もジェリー・ナドラー(議員)やアダム・シフ(議員)を満足させることはできない。この偉大な国を正しく管理することに集中するときが来た」とツイートし、態度を変えている。

◆バー司法長官の「まとめ」に捜査官が反論か
 4月に入り、トランプ大統領の「無実を証明」の主張がいささか怪しいものとなってきた。ニューヨークタイムズ(電子版)は4月3日、モラー特別検察官のチームメンバーの証言として、バー司法長官がモラー・レポートを正しくまとめることに失敗したと報道した。同報道によると、モラー・レポートのなかにはトランプ氏にダメージを与える内容が含まれていたという。

 またCNNは4月3日の報道で、下院司法委員会がモラー・リポートの召喚状発行を承認したと報道した。今後はモラー・レポートの米議会と一般への公開が待たれる。

Text by 川島 実佳