モラー・レポートで「トランプ氏の潔白」は証明されたのか?

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 ロッド・ローゼンスタイン司法副長官がトランプ陣営とロシアの共謀疑惑について捜査するため、特別検察官に指名されたロバート・モラー前司法長官は3月24日、いわゆる「モラー・レポート(報告書)」をウィリアム・バー司法長官に提出した。

 バー司法長官はその後、モラー氏が2年間の年月を費やした400ページに及ぶという報告書を2日で4ページの書簡にまとめて議会に提出。バー司法長官のまとめには、モラー特別検察官は捜査で「トランプ氏または同氏陣営がロシア側と共謀したと結論付けなかった」と記載されていた。また、トランプ氏による司法妨害に対してもモラー氏が「結論を出さなかった」と報告した。

◆「潔白が証明された」トランプ氏が反撃を開始 
 トランプ大統領はモラー氏の捜査報告レポートが提出されると24日、「共謀なし、司法妨害なし。完全に潔白が証明された。アメリカを偉大な国にし続けよう」とツイート。また書簡の内容がニュース局MSNBCで報道された後の25日深夜にも「ブレーキングニュース:モラー・レポートではトランプとロシアの共謀は発見されなかった@MSNBC」とツイートした。

 トランプ氏や共和党陣営はバー司法長官の「まとめ」が公表されると、民主党がトランプ氏とロシアの共謀疑惑をでっち上げたとばかりに反撃を開始。まず槍玉に上がったのは、反トランプ派の先鋒に立つ民主党のアダム・シフ下院議員だ。

 トランプ大統領は下院情報委員会の委員長を務めるシフ氏について、「過去2年間、(真実を)知っていながら違法に嘘をつき、情報を漏らしていたアダム・シフ下院議員は辞任を強いられるべきだ!」とツイッターで述べている。

Text by 川島 実佳